戦わない日のうた
『希望という言葉は死んだ』
という言葉が タイムラインに流れた夜のことを
わたしはもう忘れてしまいそうだ
ハロー、言葉
週7歌舞伎町
すれ違う誰の顔も覚えていない
サイレンが鳴り響く街で
前を歩く誰かの
後ろポケットにいれたお財布が鳴らす
金属音を聞きながら歩く
制服ディズニーも
調剤薬局のヒーリングミュージックも
知らない笑い声も 等しく尊い
フリー素材で彩ったスタンプカード
繁華街の真ん中にある薬局で
眠る前に飲む1錠とひきかえに
赤いスタンプ ひとつ もらう
秒でついたいいねも
投稿しなかった下書きも
わたしには同じように尊い
伝えられた言葉も
言えなかった言葉も
同じ温度で 等しく尊い
誰かの怒号も 知らない神さまの銅像も
ラブホテル街のリネンのにおいも ゴミだらけの道も
乗ったことのない私鉄も 信号のない横断歩道も
耳にさした無音のイヤホンで
関係ないふりをして 生きてる
最寄り駅の発車音が
いつまでたっても覚えられない
どこに帰っても違う場所に帰りたい
戦わない日々のわたしたちの幸せを
誰も無下につぶす権利がないのなら
あなたの生活を笑わないから
わたしの暮らしを 見下さないでほしい
ハロー、言葉 週7歌舞伎町
調剤薬局 覚えられない発車音
ヒーリングミュージック スタンプカード
制服ディズニー ハロー、言葉
違う場所に帰りたい 戦わない日々
無音のイヤホン フリー素材 調剤薬局
ヒーリングミュージック 赤いスタンプ 誰の顔も覚えていない
週7歌舞伎町 赤いスタンプ 不感症
ハロー、言葉 ハロー、言葉
ハロー、言葉
週7歌舞伎町
あなたの生活を笑わないから
わたしの暮らしを 見下さないで
絶望を利用してあなたに会いに来た
希望では終われない わたしたちの物語
絶望を利用してあなたと会いたい
希望にはできない わたしの独白
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