環状七号線で拾った希望

※青山祐己の朗読用に書き下ろしたテキストです

 
「優しさに触れると泣いてしまうのは
 あなたの中に同じような優しさがあるからだよ」
と、あなたに話しかけるから
同じことを僕にも言ってほしい
  
悲しいから優しい言葉を使おう
寂しいから寄り添う言葉を使おう
憎しみで苦しいからあたたかい言葉を使おう
そうしたらいい人ぶっていると言われた
  
ほんとうに言いたかった1行は
あなたには見えなかったんだな
  
10本の指で好き勝手に作り出した世界では暮らせない
音が消えたらまたもとどおり
それでいいじゃないか
  
大逆転ができない毎日をくりかえし、くりかえし諦めた
もう特別は特別のままにしておこう
井の頭線の新代田駅から見える坂道を塗り替えた夕焼けには
とても勝てなかった僕の希望は
何度も打ちのめされながら
毎日を繋ごうとしている
  
生きている世界を愛していたい
全てを愛せないから 言っているんだよ
  
まどろっこしくてめんどくさいやりとりをしよう
すぐに忘れてしまうような会話を続けよう
あなたがいると嬉くて流す涙を
あなたがいなくなったら悲しいと思って流す涙を
この毎日にちゃんと染み込ませていよう
  
やりかたを忘れてしまったら
ふわふわの綿毛とはいかない人間の手をとって伝えて欲しい
そのときに言いたい言葉は
あなたのなかにあるって、知っているくせに
 
 
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