「傷つかない人間なんて、いると思うなよ〜素晴らしきこの世界 /(真心ブラザーズ)」

 
Googleで「1983年生まれ」と検索をすると候補ワードに「犯罪」と出てくる。
そういえば生きている中で、事件の犯人がつかまったニュースに「あ、同じ年の人だ…」と思うことが多かった。
わたしはそれを見ながら学校へ行ったり不登校気味になったり、友達がいたりいなかったりした。
部屋で一人でいる間にも世間は自動的に動いている。
学校に持って行けなかったリコーダーが机にたてかけてある真っ暗な部屋で、
世界はいつなくなってもいいと思っていた。
 
 
むかし、自分の天職だと思っていた仕事を体力の限界でやめたとき、
もう何も自分にできることがない気がしていた。
やりたい仕事も希望もなくなってしまった。
家庭内暴力をする祖父が死んで身体的に傷つかなくなったわたしは
暴力を受けない自分の立ち位置がつかめないままだった。
てきとうに受けたアルバイトは決まる訳もなく、
母子家庭で実家もないわたしは、
貯金がなくなる前に生きる保証を得なければ自殺しなくても死ぬのかもしれないと思った。
気持ちがつらくてテレビは見られないし、文字なんて読めるはずもない、
世界はいつなくなってもいいと思っていた。
 
 
薄ら笑いばかり浮かべて会話ができないわたしは
何か物事を伝えようとすると焦って一生懸命になってしまう。
「必死なのださい」「そんなことをして何になるの?」
「そんな事してもなにも変わんないじゃん」「そんなの恥ずかしいからやめなよ」
そして時々笑われて、時々ばかにされて、時々わたしがいないときに悪口を言われる。
世界はいつなくなってもいいと思っていた。
 
 
かつて毎晩毎晩長い日記を書き、mixiやテキストサイトを更新し、掲示板で自分語りをし合い、
メッセンジャーで悩みを話していたころにたまっていた心のゴミみたいなものは、
ほんとうはゴミではなくて糧だったのだとしたら?
 
 
ねえ、その中にある気持ちが血や肉になる糧だとしたら?
ねえ、この気持ちがゴミではなくて血や肉だったとしたら?
ねえ、おまえが恥ずかしいって笑ったこの必死な気持ちが、ゴミではなくて血や肉だったとしたら?
 
 
文章が削られ、詩やポエムは恥ずかしいものとなり、
facebookやインスタグラムの一枚の写真にイイね!をもらい、
言葉がどんどん省略されていく毎日の中で
あなたの心にたまっていく感情の行き場はどこだ!
あなたの心にたまっている感情を言葉に!
ここで言葉に!!
ちゃんと言葉という居場所があるから、
ちゃんとその心の感情に言葉という居場所があるから。
なにも素晴らしくない世界で言葉という居場所があるから。
 
 
すげー無神経な言葉が飛び交う。
傷ついた自分が悪かったのかもしれないって思わなくていい
心が痛くなったのが間違いかもしれないって思わなくていいよ
 
 
たった一つの既読スルー、たった一言のあいつキモいにも
全部ショックうけるし傷つくのは事実だし嘘じゃないし悪くないし
世界はいつなくなってもいいと思うのはもういやだ。
 
 
だから、ここで全部言ってやる!
あなたが今まで死ぬ思いで飲み込んできた分だけ全部、
あなたが今まで一人で我慢してきた分だけ全部、
ここで全部言ってやる!
傷つかない人間なんて、いると思うなよ?
傷つかない人間なんて、いると思うなよ?
傷つかない人間なんて、いると思うなよ!!!
 
 
世界は、水面だ。
誰かが動けば、小さい波が(たとえ半径1mmだとしても)ひろがっていく水面だ。
 
 
ある種の願いを込めて自分のためにやっているカウンター達の朗読会も
それを見た人、聞いた人に伝わることもあるということ。
 
 
世界は、水面だ。
あなたが動けば、小さな風が隣の席の人につたう。
世界は、水面だ。
わたしが叫べば、あたなの耳にいやでも入る。
世界は、水面だ。
あなたの感情が、確かにそこにある。
世界は、水面だ。
確かにそこにある感情は、言葉にしたら空気を伝って誰かの耳に入る。
 
 
なくなってしまえばいいと思っていた世界は、水面だ。
 
 
今日のこの夜が、誰かに伝わるかもしれないこと。
あなたにもしかしたら伝わるかもしれないこと。
いつかわたしをばかにしたやつ
わたしをきもいって言ったやつ
そんなことしても何も変わらないなんてかっこつけてんじゃねえよ
 
 
こうやってめちゃくちゃな文章を読んで
どうか死ぬな死ぬな死ぬな死ぬなってムキになっているわたしをあなたは見えてるはず
世界は、水面だ。
 
 
躁から鬱へ、鬱から躁へ
感情の津波が日常をぐちゃぐちゃにしても
いつか倒れたときの限界がいまのわたしのスタートだ
何度でもやりなおしできるなんて知らなかったし
いつか諦めたときの全てのおしまいがいまのわたしのスタートだ
何度でもまたはじめられるなんて知らなかったし
躁から鬱へ、鬱から躁へ
感情の津波が日常をぐちゃぐちゃにしても
感情の津波が日常をぐちゃぐちゃにしても
ODをしないで生きていくぞ
素晴らしき世界でどんづまって生きていくぞ
 
 
生き残った今を、絶対にうらんでたまるか。
可能性とは想像力の分だけあるんだよ。
わたしはそれをバトンタッチできる自分になりたい。
 
 
バトンリレーとか絶対落とすタイプだけど、落としたらひろってね。
わたしも足下にあなたが落としたバトンが転がってきたらひろうから。
世界は落としたバトンだらけだ。
あなたが落としたらひろうから、わたしが落としたらひろってね。
そんなの、超かっこわるくて素晴らしい世界じゃん。
 
 
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