部屋の隅にあったリコーダーで見える景色すべてを殴り殺したい気持ちだったこと

 
中学校、醜形恐怖がひどくなったわたしは友達をたくさん失くしました。 
顔を見られる事が苦痛で、友達とも向き合えなくなってしまったからです。 
だからわたしは、雨降りの日が大好きでした。 
傘をうんと低くさしていれば顔を見られることがなく会話ができるから。 
そんな幸せな雨の日に、わたしに向かって「変な傘のさしかた」と笑う声が聞こえました。 
その日から雨降りの日にもうまく笑うことができなくなりました。 
はりついたようなひきつった顔で歩いたときに散った前髪の一本までもが 
わたしの醜さでした。 
 
 
強迫神経症がなおらなくて学校に行けなくなった日の朝、 
使わないまま部屋にたてかけてあったリコーダーで 
ここから見えるもの全部なにもかもを殴り殺したいと思っていました。 
 
 
高校に行けなくなったまま夏休みになってしまったこと、 
ただずっと一人で部屋にいた毎日のこと、 
今日こそはと思って制服に着替えても玄関から出られなかったこと 
体をこわして病院に通うようになったこと、 
薬の副作用でパニックを起こして泣き叫んだわたしを 
小児科の子供がとても怖いものをみる目で見つめていたこと、 
看護婦さんをふりはらって帰ろうとしたとき、母親の目にたまった涙のこと 
通信制の学校に資料をもらいにいったこと、 
そこでも説明をしてくれた係の人と会話ができなかったこと、 
帰り道、自動販売機の前で泣き崩れたこと、 
教室のドアの前で引き返したこと、 
卒業式のあと誰とも話さずに帰ったこと、 
またねなんていう人がいなかったこと、 
そうして自分の世界で生きてきました。 
 
 
学校に行こうと思ったけど決心がつかなかった日、 
制服のまま窓の外をみて、休み時間のタイミングだけ少しほっとした。 
みんなが休んでるこの数分だけはわたしもこうしていても許されるんじゃないかって。 
 
 
後悔を仲間にして不安はもっと大きくなる。 
道をはずしてしまったわたしを見ないで。 
ずっとこのままなんてやだ。 
死にたいって簡単に言うななんてこそ言うな。 
死なないために死にたいって軽く言わせてよ、 
生きるから死にたがらせてよ生きるために後ろを向かせてよ。 
分かるって言わないでよ、でも分からないって言わないでよ。 
もういいやって言わないで、でも大丈夫だよなんて言わないで 
どうにかして、どうにかしたい、このままはやだ、こんなんじゃやだ 
 
 
そしていつからか劣等感は憎しみに変わって 
破壊衝動が抑えきれず自分の左腕を何度も何度も切った。 
死ね!死ね死ね!自分なんて死ね!まじで死ね!!! 
 
 
生まれてきたことや、生きていることに 
恵まれているんだよなんて言われても、 
ありがとうが言えない。 
 
 
歩いても歩いてもまた立ち止まる、人生はスゴロクのようです。 
そしてわたしのサイコロは「1」を出してばかりで、 
…ただひとつ、サイコロのメにゼロがなくて救われる毎日です。 
 
 
わたしは、わたしは勇気なんか持ってないぞ。 
励ましなんかふりまかないぞ。 
前向きな生き方なんてできるならもうしてる! 
でもそれができないから、できないから 
小さな失敗を100倍にして引きずりながら生きてやる!!! 
 
ハードルは低く! 
もっと!もっともっと低く! 
どんな小さな一歩でもいつもちゃんと跳び越えられるように 
もっと低く! 
 
 
前なんて向かない、前なんて向かないぞ 
雨なんていくらでも降ればいい 
心を爆発させて生きてやる!!! 
 
 
明日が素晴らしいだなんて思わない! 
人生が素晴らしいだなんて思わない! 
 
 
だけどそれでもほら… 
なんて人生は…素晴らしいんだろう 
 
 
病気になってよかったと思うことは、少しだけ通り過ぎたときです 
わたしは多分、過去を乗り越えることなんでできない。 
でも同じ苦しみを抱えて死にたがってる人が 
「同じだね」ってそう言ってくれるとき 
誰かの苦しみの中に自分を重ねたときに 
「それ分かるわ」ってそう言えるとき 
苦しんできて本当に良かったって素直に、そう、思えたりもするんです 
 
 
変わらない毎日ととらえるか 
変えていく毎日ととらえるか 
そのために生きてる 
つきおとされそうなぎゅうぎゅうな世界に 
なんとかギリギリでつかまりながら 
 
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