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ボタンひとつで見つかる140文字以下の遺書

 
ツイッターで「死にたい」と検索すれば、たくさんの「死にたい」がすぐに見つかる。
ツイッターで「さみしい」と検索すれば、たくさんの「さみしい」がすぐに見つかる。
 
 
わたしは自分の死にたい気持ちをそこにこっそり流しこむ。
そこに溶け込んでわたしの死にたい気持ちがさみしくなくなるように、と期待をこめて。
 
 
遺書はいくらでも見つかる。
「死にたい」と打って検索ボタンを押すだけで、
140文字以下の遺書がいくらでも見つかるんだ。
 
 
例えば「いじめ」っていじめた側が悪いって堂々と言ってもいいのに
「あいつ空気読めない」は空気読めない側が悪いことになる。
じゃあ「空気読めない」っていう理由での「いじめ」があった場合は
どっちが一般論では支持されるんだろ。
 
 
「あいつ声きもい」って言われたわたしは、声がきもいわたしが悪かったんだろうか。
「あいつ超きもい」って言われたわたしは、超きもいわたしが悪かったんだろうか。
きもくなるにいたる原因もあるんだよ、
空気読めよくそ。
でもそんなことはもちろん言わなかった。
 
 
苦難の道とか進むのとかやだからわたしはすぐに脇の草むらに隠れて
寝転がってまとめとか読むタイプです。
 
 
だって傷つくのやだしめんどくさいのやだしわたしだけできないのやだし
ついていけないのやだし嫌われるのやだし、別に強靭なメンタルとかいらないし 。
 
 
わたしだってガッキーみたいなゴーストライターに全部頼んで
自分は家でサングラスかけておせんべいとか食べならクロスワードでもしてたいんだよ。
ってゆったら「それただの暇な人じゃん」と言われたし
よく考えたらそもそもわたしおせんべい好きじゃないや。
 
 
ちなみにわたしはゴッチよりもガッキーにシンパシーを感じます。
なぜならちょっとどもるから。
 
 
自分にとっての正しさは口に出さないときもある。
他人に不愉快を投げられたら、
おまえなんかにわたしの正義を教えてやるもんかって思う。
 
 
新潟から新宿に来る道、こわれ者カーの中で、
かっこたんと月乃さんが入院した病院自慢をしてた。
僕なんか新潟大学!新潟大学出てるんだ!
へー、俺なんか慶応付属だから慶応ボーイだね~!
かたやパジャマでかたや女装のいい大人がなにゆってんだろうかと思いながら
わたしは死んだ目をして眺めてるわたしが一番超まともなんじゃない?
すげーマジョリティなんじゃない?これは一段階上に上がったわ、見下すわ、格差だわ。
と思ったけど会社の人と会話するときに緊張で手汗がひどくて
手に持ってた紙がべちゃべちゃで印刷した文字をにじませちゃったのを思い出した。
 
 
少数派が偉いみたいなのとかやだ。
西野カナとかエグザイルとかそれだけの需要があるんでしょ。
みんなが好きなものはださいみたいのやだ。
批判すると自分が正しく思えてしまうのとか超やだ。
 
 
批判しないと見えない正しさって正解かわかんないし、
分かる人だけ分かればいいなんて一ミリも思わないし、
超絶分かりたいし分かられたい!
分かって欲しい認めてほしい嫌わないでほしい!
分かる分かるって笑ってほしいから多数派がいいし!!!!!
なのにエグザイルとかなんも好きになれないよ!!!
西野カナとか超共感できないよ!!!!
人に会うのがこわくて震えるよ!!!!
 
 
わたしはやっぱり、
子供のおつかいよりも、南極で生き抜く動物の赤ちゃんよりも
かっこ悪いくらい必死な姿を見せてくれるかっこ悪い大人のほうが断然泣けるんだ。
 
 
ほんとうのことしか言わない人なんか信じてない!!!
ほんとうのことをシリアスにしか言わない人なんか信じてない!!!!
 
 
24時間テレビさん!
こわれ者の祭典はオファー待ってます!!!
わたしたちが次々挫折する姿をしっかり撮ってください!!!!!!
 
 
振り返ってみれば、終わってしまったわたしの20代は
こわれ者の祭典を通して出会った「全て」だったと思う。
人付き合いで挫折して人生に空白を作ってしまったところからのスタート。
 
 
だから、受け取らせてもらったこれをバトンタッチしていくことがこれからの全て。
友達が一人もいなかった学生時代のわたしに、
いま言ってあげたい言葉は
「そういうのいい年になってもなおんないから安心しろwwwwwww」です。
 
 
多数派になりたすぎていっそギャルになろうと思って
蛭子さんのマンガを全部手放したのに
大人になって買い戻すことになる不毛な人生だよって教えてあげたい。
 
 
休み時間にすることがないから一人でガロ読んでたら
きもいの読んでるって言われて捨てたガロを
いい年になってから高いお金で買い戻すハメになるよって言いたい。
 
 
わたしがいま、人と会話をする奇跡。
わたしがいま、自分の黒歴史を笑って聞いてもらえる奇跡。
誰かにとっての当たり前は誰かにとっての理想かもしれないんだな。
 
 
たとえば、遊園地とか水族館で売ってるような
肌に悪そうな油の味がするポテトとかたこ焼きは
幸せの家族が買う象徴だから憧れてやまないんだよ。
 
 
石丸元章さんの書いた
「不幸や悲しみのもとになっているどうしようもないバカバカしい現実を笑い飛ばす勇気」
という言葉がわたしの行動するときに頭に置いてること。
 
 
すごく近距離にすごく低い目的を作っておけば
こまめに生き延びていけそうな気がする。
目標なんてちっっっさくていい、
わたしなんて届かないと頑張れないから。
 
 
明日の目標なんてね、もうとっくにできてることでもいいよ。
気が向いたら1mmだけあげてみればいい、
1mmアップとかさ、
それって超すごいよ。
 
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