透明のビニール傘〜ベイビーレイニーデイリー/(神聖かまってちゃん)

 
どしゃぶりの雨の中、苦しかったあの日。 
自分の醜さを見られることがこわくて、透明の傘がさせなかった帰り道。 
真っ赤な傘を深くさして、顔が見られないように、乱れた前髪が見られないように。 
そんなばかげたわたしの努力。友達に言われてたんだ、いつも。 
「変な傘のさし方」って。 
 
 
はらりはらり、 
わたしの膜をつきやぶって雨が突き刺さってくる。 
わたしの胸をつきやぶって心の中に突き刺さってくる。 
はらり、はらり 
雨が、雨が、雨がわたしの内側に!!!!!!! 
 
 
もっと隠れていたい。誰にものぞかれないように。 
点滴のバッグを見ながら、泣いた病院。 
あの孤独を思い出して死にそうになる。 
思い出はいつも悲しくて、生きることがいつも難しい。 
雨なんていくらでも降ればいい。 
嘘なんていくらでもつけばいい。 
 
 
内臓をつきやぶった雨のしずくが、ばけつをひっくり返したような透明の雨が、 
あのときにさせなかったビニール傘のように 
どんどんわたしを透かせて、このまま透明になってしまいそう。 
行かないで!こんな心を知ったらみんなを困らせてしまう。 
行かないで!分からないって言わないで!殴らないで!無視しないで! 
分かるって言って同じだって、分かるって僕も同じだよって言って。 
 
 
傘は捨てられない。意気地無しだから。 
雨に腕あげてにっこりできないよ。 
でも雨はやまなくてもいいです。 
晴れなくてもいいです。 
わたしは死なないから。 
もう透明のビニール傘だってさせるようになったんだから。 
まっかな水玉の傘に隠れて、顔が見えないように隠れて、 
変な傘のさしかたなんて言われて、そんな風にならないから。 
いまはもう。 
 
 
わたしは泣き続けている。 
叫ぶように生きながら、 
叫ぶように泣きながら。 
内臓をえぐるように、殺した記憶をひろいあつめるように。 
もっと泣け、もっと泣けよ、 
キミだって泣けよ! 
自分のために! 
自分のためにもっと泣けよ! 
自分の感情を嘘にするなよ、 
誰かの否定なんてふみつぶしてやれ! 
自分のために自分のためにもっと泣けよ!!!! 
 
 
そう、雨の日だって、こんなに女々しい自分を、傘で隠さないように… 
 
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